翁長雄志県沖縄知事とオール沖縄のたたかい
4日、土曜日。朝、新事務所に。
この日は、岡山県地域人権問題研究集会の開催日。事務局長が参加できない旨の連絡あり、諸準備、気になりながら雑務。8時20分にタントで出発。岡山市役所付近の、24時間で700円の駐車場に。明石さん、長田さんと一緒になります。勤労者福祉センターへ。すでに、田中、中島両青年が荷物を運びこむ準備中。5階の体育集会室で、会場づくりから始まります。小畑隆資委員長のあいさつのもと、大勢の実行委員会のメンバーが袋詰めも含めて力をあわせてくれます。
予定通り、10時に開会。約200人が参加してくれています。午前中の全体会は、小畑委員長の基調講演、おかやまいっぽんの伊東さんからの報告など。午後は6つの分科会で交流が深められました。
小畑委員長は、「アベ政治の何が悪いのか?翁長雄志沖縄県知事とオール沖縄の戦い」と題して講演。
翁長雄志著『戦う民意』(角川書店、2015年12月)を紹介しながら、その「オール沖縄」=「アイデンティティー政治」論の形成過程を振り返り、今日的に、オールジャパン、おかやまいっぽん、のとりくみの重要性を話されます。
「沖縄は今日まで自ら基地を提供したことは一度としてありません。戦後の米軍占領下、住民が収容所に隔離されている間に無断で集落や畑がつぶされ、日本独立後も武装兵らによる「銃剣とブルドーザー」で居住地などが強制接収されて、住民の意思とはかかわりなく、基地が次々に建設されたのです。土地を奪って、今日まで住民に大きな苦しみを与えておきながら、基地が老朽化したから、世界一危険だから、辺野古が唯一の解決策だから沖縄が基地を負担しろ、それが嫌ならば代替案を出せ、と迫る。言葉は乱暴かもしれませんが、他人の家を盗んでおいて、長年住んで家が古くなったから「おい、もう一回土地を出して家をつくれ」と言っているようなものです。それを理不尽と言わずして何を理不尽と言うのでしょうか。こういう政策が成り立つこと自体が日本の政治の堕落ではないか、と私は思います。」
「辺野古に新しい基地ができれば、沖縄の基地が減ることにはならないばかりか、沖縄が初めて承認した基地が建設されることになります。しかも大型船が寄港できる護岸や弾薬搭載エリア、長さ一八〇〇メートルの二本のV字型滑走路など普天間基地にはない設備が整備され、基地機能が強化される形で、将来もずっと固定されることになるのです。これまで沖縄県が自分で差し出した、基地のための土地は一つとしてありません。そして、沖縄の人々による島ぐるみの戦いによって、沖縄の基地は民有地と県・市町村有地が三分の二を占めています。これは本土の基地の九割近くが国有地であることと対照的です。というのも、本土の米軍基地はかつて旧日本軍の基地だったのに対し、沖縄の場合は民間の住宅地を強制的に収用したからです。もし辺野古沖の美しい海が埋め立てられて基地が建設されれば、そこは国有地に変わります。沖縄で唯一、私たち県民が口出しできない基地がそこに建ってしまうのです。基地の耐用年数は二〇〇年とも言われています。そうなれば、これから一〇〇年も二〇〇年も、おそらくは新しい基地の形態と仕組みのもとで、私たちの子や孫たちが日本の安全保障の真っただ中に置かれていくことになります。さらに今回の集団安全保障の法制化によって米軍と自衛隊が共同使用することにもなるでしょう。加えて尖閣問題を理由に、陸上自衛隊の警備部隊が宮古島や石垣島に配備されようとしています。沖縄からすると、明らかに基地負担が増す方向に進むわけです。振興策と引き換えに、私たちの自己決定権を明け渡すことはできない」
これら、翁長知事の著書の内容を示しながら、翁長知事は「アベ政治は堕落した」と言っている。それは、「沖縄は過去のどのような時でも自ら基地を提供してことはなかった。銃剣とブルドーザーで強制収容、その間に基地はつくられた。今は政権が沖縄県民を脅してアメリカに基地を提供しようとしている」というように、問答無用、強権的な安倍政権は対話する姿勢や人権の感覚が全くない、と批判。これが立憲主義を否定する首相の姿であり、多種多様な意見を受け入れる政権に変える必要がある。だから、戦後日本における新しい政治と参加のスタイルが起こってきた、と話されました。
記事分類 NPO人権みんなの会記録 | コメント 1 »