その人らしく生きるために寄り添う、とは
|15年12月6日 |中島 |
5日、土曜日。朝、新事務所に。
歩いて、吉野家さんへ。朝定食をいただきます。知り合いの舗装会社に働く男性たちと、おはようとあいさつ。歳の話になります。60歳を前にしての現場、若いときのようには身体がついていかないのでは、とふと思うのです。
雑務。後見しているYさんに送られてきた書面に記入して、返送の手続きです。
早めに、勤労者福祉センターへ。NPO法人地域人権みんなの会主催の学習集会です。会場づくりから始めます。
「最期までその人らしく生きる支えを考える」をテーマに、訪問看護ステーション・晴、の代表をされている赤瀬佳代さんが講演です。
みんなの家ななくさの住宅さん、グループホーム福浜の長野さん、現場からの報告をしてくれました。
一人でも多くの患者さん、利用者さんの役に立ちたいと願って大勢の人たちが、制度上の課題などに悩みながらも、各施設や病院、介護現場、高齢者の自宅での支援などで奮闘されている、その光景が見えてくる内容でした。
一番前に座って聞いておられた、吉野一正さん、当法人の理事であり障岡連の事務局長でもありますが、その吉野先生から、感想がよせられました。紹介させていただきます。
講演と二つの現場報告から感じたことは、「寄り添う」ことのキーワードは「限りない優しさ」だと思います。「優しさ」には、三つあると考えています。
一つ目の「優しさ」は、人とひととの関係がつむぎだす優しさです。家族、友人、職場、あらゆる人間関係で見られものです。
二つ目の「優しさ」は、教育現場、介護現場、医療現場等で専門職員が発揮する「優しさ」です。本日の訪問看護訪問センター赤瀬さんの講演で話された「患者に寄り添うこと」、住宅さん(小規模事業所ななくさ)が話された「利用者さんの社会的痛みの克服」、グループホーム福浜の長野さんが話された「利用者さんのニーズに応える」は、専門性が発揮された「優しさ」の表現だと思います。
三つ目は、上記二つの優しさを支える「社会的な優しさ=制度」です。赤瀬さんが「その人らしく生きるための支えを考えよう」で示された図や「最後まで生きることを支えるための連携」で示された図は、その具体的支えは制度なくしてできないものです。一方、現場の報告で課題として示された人員配置(ななくさ)、職員不足(GH福浜)は、制度の不十分さからくる問題点です。
社会的優しさの到達度は、民主主義の到達度であり、平和社会でないと到達できないものだと考えます。今日の学習会で話された具体的事例の人たちは障害者と言える人たちでした。私は、「生きることに特別な配慮を必要とする人=障害者(国連障害者権利条約)にやさしい社会はすべての人にやさしい社会である」(ノーマライーゼーションの理念)を思い出しながら、医療・看護・介護制度はまだまだ課題が多いと思いつつ、この課題を現場の実践から乗り越えようとする力強さを感じ嬉しくなりました。
記事分類 NPO人権みんなの会記録 | コメント 0 »