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オリ・パラ聖火ランナーを辞退、その思い

|21年05月27日 |中島 |

26日、水曜日。前日の夕方に接種したコロナワクチンの影響もなく、いつものように朝風呂で身支度。池の鯉たちにパンをあげてから新事務所に。

雑務。みんなの家ななくさの住宅さん、来所。ご夫婦で利用者さんになりそうな方たちのこと聞かせてもらいます。将来を考えて男性を施設入所として検討しなくてはならない状況、その手続き、とくに保証人確保について心配、などと。

視覚障害者友の会の岡崎さんから、前日紹介した重田雅敏さんが、東京オリ・パラの聖火ランナーだったこと、それを辞退したこと、そしてその思いを所属するランニングクラブや視覚障害者団体などへメールで投稿されていて、拡散大丈夫よ、とその文を送ってきてくれました。

以下、ちょっと長文ですがその全文です。

みなさん、東京の重田です。

ご無沙汰しておりますが、いかがお過ごしでしょうか。5月12日、緊急事態宣言の延長を機に、足立区で行なわれる7月18日の聖火ランナーを辞退しました。オリンピックにはとても期待していました。聖火を掲げて伴走者と共に走ることで、視覚障碍者の伴走ランニング普及のお役にたてるのではないかと思っていましたが、コロナの蔓延でかえってご迷惑になるとの思いが強くなりました。
小学6年生の時、前回1964年の東京オリンピックがあり、全校児童が沿道に並んで聖火リレーを応援しました。ギリシャから聖火が途切れることなくリレーされて来たのかと好奇と羨望の目でわくわくしながらランナーを見ていました。颯爽と走るグリコの絵のような健康美のランナーになってみたいと正直あこがれました。しかし、政府・組織委員会・JOCなどの説明をテレビで聞くにつれて不信感が高まるばかりで、こんなことではコロナとの両立は不可能だと感じました。オリンピック運営に費やす全ての資金・マンパワー・医療を、少しでも早くコロナで苦しんでいる人やワクチン接種に振り向けてほしいと願っています。もしオリンピックのために割ける医療の余裕があるというのなら是非自宅待機や救急でたらい回しになっているひとたちのため、一刻も早く回してほしいものです。
運営担当やボランティアなど大勢の人を集め接触の機会が増えることが明らかであれば、例えそれが聖火リレーやオリンピックであっても特例としてOKというわけにはいかないと思います。外国から1万人の選手たち、5万人のIOCや選手団関係者、3万4千人の報道陣が来る予定になっており、国内からも8万人のボランティア、全国から多数の警察官を動員し、医師200人と看護師500人、30か所の病院の協力が必要とのことです。既に聖火リレーの関係者に9名の感染者がでており、ルート上の地域で感染拡大したとの報道も聞かれました。国内無観客で実施したとしても20万人から30万人規模で行なわれるオリンピック、万全を期すことなどできるのでしょうか。聖火ランナーとして自分が感染被害を被る恐れよりは、感染拡大の片棒を担ってしまうことを恐れます。加害者になってまでオリンピックを盛り上げる気持ちはありません。戦争下の平和の祭典には意味があったかもしれませんが、コロナ下の健康の祭典にはなりえません。同情を誘う話しや復興五輪など美化されたオリンピックイメージ作りにも疑問を感じるようになりました。また聖火リレーランナーの前で、大音量で音楽を掛けながら先導して走るスポンサ
ー企業の商魂たくましい大型宣伝カーの車列に驚くとともに幻滅も感じました。さらに公道を走ることを取りやめた場合、公園内や観光名所の建物の前で、無観客で走ったり点灯式をしても、単に自己満足のようで何の意味もありません。前回と異なり今回の聖火はいくつも別ルートの運び方があり、スケジュールに合わせて、自動車で都合よく運んでいるとのことです。つまり責任を持って次のランナーに受け渡さなくてもいいやり方になっています。これでは私が考えていたようなラン
ナーが責任を持って繋いでいく聖火リレーではありません。コロナの感染が現状のまま続くようであれば、血のにじむような努力をして一生懸命練習してきた選手の方々には申し訳ありませんが、オリンピックの感動よりも、少なくとも治療が受けられて生きていられることの方が大切だと思えるようになりました。飲食業や非正規の人たちの生活も、もうギリギリではないでしょうか。仕事を失い、アパートにもいられなくなってバス停に寝泊まりしていて殺された女性の話を聞くと気の毒でなりません。長期に渡る「コロナ疲れ」というよりは、感染対策・水際対策など、国民の行動にただ期待するだけの実効性のない説明を聞くことに疲れました。「うそ答弁」に疲れました。ワクチンの予約電話にも疲れました。国民が自粛の呼びかけに耳を貸さなくなってきたり、ワクチン接種の申し込みに奔走するのも、これまでに繰り返しつくられた口先だけの説明への強い不信感があると思います。いくら従順な国民性でも、いい加減うんざりして、自分のみは自分で守るしかないと政府を頼りにすることを諦めてしまったのではないでしょうか。適切に、全力を挙げて、万全を期して、今が正念場、感染爆発の崖っぷち、安心安全、医療が崩壊直前、でもオリパラ実施の医療には余裕、などなど、こんな言葉を何度聞いても殆ど説得力がないと思いました。まるで「あおり」政治ですね。オリンピックを延期してから1年間も期間があったのに、すべて後手後手で、このような事態になったことがとても残念です。今でも水際対策には殆ど強制力がないため、インド株が広がってきそうで不安です。いくら変異株のモニターをしてもワクチン以外有効な対策がないので蔓延は防げないでしょう。みなさん、どうぞご自愛ください。以上です。

この日、午後、税理士事務所のKさん来所。3つの事業所にかかる法人の2020年度決算書を持参してくれました。

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