東京、霞が関での8時間
27日、サンライズ出雲の個室B寝台で目が覚めます。前日の夜10時30分ごろ、サンライズ瀬戸と出雲が岡山駅で合体、当方は後ろ側になる出雲の車輌でした。
東京駅に7時過ぎに到着。八重洲の駅地下を散策しますが以前のものから大幅に改築されていて、東京温泉は見つかりません。ゆったりと座れる喫茶店もなく、仕方なしに、丸の内側に。クロワッサンとコーヒーがセットのモーニングを食べて、地下鉄丸ノ内線で霞が関まで。すぐの厚生労働省の玄関を確認して、日比谷公園に足を向けます。
数人のカメラマンが三脚と大きな望遠を付けたカメラを構えています。池の鶴の彫刻から噴水がでていて、この時期、鶴の翼が凍りつららが出来ています。その場面を撮ろうとされているのでしょう、と理解。光加減もあるのでそのタイミングを待つかねている雰囲気でした。
誰よりもいち早く厚生労働省に入り、売店などに出入りするためにチェックを受けてパスカードをもらいます。地下の喫茶店は、かつてのものでなく、いわゆるマクドナルド的なお店で、一人女性が忙しく働いています。コーヒーを一杯いただくだけで、やつと買えたと思うようなお店でした。
10時から厚生労働省の雇用開発課、地域福祉課、老健局関係課と全国人権連の話し合いです。公正・合理的な採用システムの確立にかかわって、「就職差別につながるおそれのある事象」は2010年度で、全国で1087件、岡山県では9件と。高校生や大学生に就職にかかわる権利手帖的なものを公的に準備すべきではないかと、提起でした。
介護保険の件では、報酬改定は実質ではマイナスであること、職員処遇改善交付金が廃止された理由が「給与に反映せず一時金などとしている」という政府見解などは本末転倒している、介護報酬に転嫁していったことは利用者さんに負担がかかるではないか、と指摘。小規模多機能ホームの泊り料金について、生活保護者の利用者さんに大きな負担がかけられないから公的な対応を検討すべき、などと提起してきました。
午後は、文部科学省に。入館のチェックがきつく、話し合い参加者全員が集まるまで待たされます。高校修学支援基金のことがひとつの課題に。文科省が2009年度から3カ年で486億円、さらに3カ年で189億円の予算を付けていて、各府県が、返済猶予、返済免除の規定を盛り込むことが求められています。岡山の高校の先生から概要を聞いていたのに、もっときちんと調べておけばよかった、などと反省。しかし、とりあえずこちらの要求の上にのせて全国的に取り組む流れになりそうと自己評価です。
障害者の法定雇用率の未達成課題は、厚生労働省と文部科学省どちらも大きな課題としました。就職採用の公正なルールの確立のためには、雇用側に厳正に対応するよう求めることが第1義的に大事です。同時に、権利の一つとして求職者が採用時に能力適性以外で合否を左右されないというルールがつくられていること、働く権利としてはどういうものがあるのか、などを学習されている必要があります。大学生が野放しにされている現状をみると、学生へのアプローチがもっと強力に必要かと思うのでした。
4時過ぎの新幹線に。途中右の車窓から黒い雲が頂上にかかりそうな富士さんを望みます。荘厳さを感じるのでした。
記事分類 NPO人権みんなの会記録 | コメント 1 »
--> 12年01月28日 at 23:47:24
ごくろうさまでした。 日刊紙にも載っていましたね。