ハンセン病シンポ、つづき
2019年6月28日、熊本地裁がハンセン病家族訴訟に対する判決を下しました。ハンセン病家族557名に対して総額3億7675万円の支払いを命じました。
その時の原告団副団長の黄さんの家族も含めた生い立ち、竹下景子さんによる子どもたちの詩の朗読、そしてシンポへと続きます。長島愛生園で育った中学1年生の女の子が書いた、月のあかり、浜辺に出て月あかりのもどで物思いにふける、家族のこと、故郷のことなどに思いをはせる、その朗読が聴く者の胸をうちます。
ハンセン病問題、安倍首相も謝罪したしもう終わったよ、という世間の声、しかしと徳田靖之弁護士は「国は正しい認識をと国民に求めるが、現在の社会は、差別される集団、いじめられ集団、には決して入らないという風潮が背景にあり、ハンセン病家族も社会から排除されないために、問題をなのりあげられない人が圧倒的」と声を震わせて話されます。
長島愛生園の自治会長の中尾さんも、「私たちの運動に家族から応援は一切なかった、もしあったらもっと早く成果が出ていたろうに」と訴えられました。
九州大学名誉教授の内田博文さんは、らい予防時代の療養所では、その法律を超えた逸脱行為が、例えば特別法廷などとして行われていた。その点ではまず自治体が検証していくことが求められる。その家族などの措かれている人たちをどのように捉えるか、可哀そうな人たちという捉え方ではパターナリズムに陥りやすい、権利の主体者として捉えなくては、などと。
岡崎さんたちと、良いシンポだったねと、参加できたことお礼でした。
水平社宣言の一部、人権教育の在り方、なども言葉として出てきます。当方にとっても、何かと考えさせられるシンポでした。
なお、シンポジウムの模様は、10月27日(日)午後6時から RSKラジオ(AM1494kHz/FM91.4MHz)で放送予定だそうです。
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